AJAPE 初代会長カルロス マヌエル・ディアス メディナ博士からのメッセージ
今から約25年前、ペルー人と日本人からなる有志、後援団体として在京ペルー総領事館、広報には週刊誌インターナショナル・プレスの協力により当協会の設立が決定され、日本ペルー共生協会-APEJA(アペハ)と命名された。わたしたちの目的は、日本で生活するペルー人の日本社会への統合であった。
設立当初の定例会は在京ペルー総領事館で開催され、その後は神奈川県内の学校へと変更になり、最終的には町田市民フォーラムで居場所をみつけることができた。
設立当初は他の団体同様に困難が待ち受けていた。当協会の目的遂行のための資金調達や貯金を確保することが困難だった事例である。このために会員一丸となってイベント主催や町田市内、神奈川県内のイベントにAPEJAのスタンドを設置することで困難な状況を乗り越えていった。一方で、健康に関連するフォーラム等も継続的に開催した。
時間の経過とともに団体は周知されるようになり高橋悦子さんのような心強い日本人会員の参加もみられるようになった。
かのじょの存在は当協会に変化ももたらした。例えば、煩雑な手続きの末に東京都から任意団体から正式なNGO団体へと格上げされたことが一つの成果であった。これを機に当協会にはペルー人と日本人のみならずラテンアメリカ諸国の方々も関わるようになった。
当協会は、日本社会で活動する中で宗教または政治関連団体とは一線をおくようになった。その結果、単独団体として自主財源等による運営を強いられることも意味していた。
さらに、海外送金を目的としないNGOにもなり、調達された資金は日本で生活するペルー人の日本社会への統合、アイデンティティ維持のための学術、社会や文化的な活動のために使用されていった。
このような当協会の状況は、実質的に日本政府側からの経済的な支援をも意味していた。
日本政府からの支援を通して、学術や親子のために実施してきた活動が当協会の成長を意味して現在の原型にもなっている。
現在、AJAPE(アハペ)として知られる当協会は、教育や統合に関わる問題をスペイン語で支援している。多様な相談、支援教室、情報提供等の内容から構成される活動を実践している。また、多様な背景を持つ親子向けの活動等を通して多文化での共生も促進している。
ただ、このような活動は序章に過ぎず、現在のAJAPEは優秀で若い人材を揃えており、今後もAJAPEの発展に寄与するであろう。そして、みなさんにとって当協会の一員であることを誇りに思わせてくれるであろう。
今回、初代会長として一筆残す機会を提供してくれたことに感謝している。わたしは、当協会の一員であったが、これからも一員であると思っており誇りにも感じている。
当協会のことは、大切な思い出としていつまでも心の中にとどめている。
2023 年 2 月 1 日、バルセロナ